南方熊楠の本の書き込みはエネルギッシュだった/感動して本を読むということ

あなたは本に「書き込み」ってしますか?

あなたは読書をするときに本に書き込みってしますか?
本に線を引いたりしますか?

「よく線を引きますよ~」という方もいれば
「なんか書き込みとか抵抗があって」という方まで
おられると思います。

私は今まであまり線を引いたり、書き込みをするタイプではありませんでした。なんだか本に対して申し訳ない気がしていたんです。でも今は書き込みをしたり線を引いたりしています。そんな風に変わったのは一つに理由があります。

本に書き込みをするようになってよく思い出す風景があります。
それは昔見た、南方熊楠の書き込み。そのお話を少ししてもいいでしょうか?

南方熊楠という人を知っていますか?

あなたは南方熊楠(みなかたくまぐす)という人を知っていますか?

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南方 熊楠(みなかた くまぐす、1867年5月18日(慶応3年4月15日) – 1941年(昭和16年)12月29日)は、日本の博物学者、生物学者(特に菌類学)、民俗学者。

菌類学者としては粘菌の研究で知られている。主著『十二支考』『南方随筆』など。投稿論文や書簡が主な執筆対象であったため、平凡社編集による全集が刊行された。18言語を解し、「歩く百科事典」と呼ばれ、熊楠の言動や性格が奇抜で人並み外れたものであるため、後世に数々の逸話を残している。

南方熊楠を知らない方も多いかも知れません。上に引用したWikiに書かれているように博学で様々な逸話を残した方です。ネットで検索するとその知の巨人ぶりがたくさん出てくると思います。

大量の蔵書をもち、その内容をくまなく覚えていたというほどの記憶力。また何か国語も話せる語学が堪能な人でもありました。

同時に学問の専門をかろやかに跨いでいくような知恵の持ち主で、大学時代、民俗学専攻だった私は南方熊楠の著書に魅力を感じて、先生と一緒に輪読会をやっていたのでした。

南方熊楠生家の蔵書調査

そんな民俗学を学んでいた大学3年生のある日、東京大学の研究室が和歌山にある南方熊楠生家の蔵書調査をやるスタッフを募集しているという話が先生を通じて舞い込んできたのです。

南方熊楠生家の蔵書調査。条件は無償ボランティア、足代飯代もなし。要するにただ働きです。

それでも南方熊楠の蔵書を直接見ることができるこんな経験はなんて魅力なんだろう!とこの調査スタッフに迷わず手を挙げたのでした。

場所は和歌山県の串本。宿泊代を浮かすために、串本のユースホステルのおばちゃんに頼み込んで、空いている物置に1泊500円で1週間泊めてもらうことにしました。

仕事は毎日朝から晩まで、蔵書調査。
熊楠の生家に通って、膨大にある熊楠が読んだであろう蔵書を1冊づつ1ページづつめくっていきます。そして熊楠の書き込みを見つけたらあったら持ち込んだコピー機でコピーして記録をとるというもの。

最初に熊楠の書き込みを見つけたときは「おぉぉ!」と感動しました。昨日書き込まれたような生き生きした筆跡の南方熊楠の書き込み。

ところがしばらくするうちにこの仕事があまりにも大変だということに気づきます。

どうして?

そうです、いちいち感動しているには書き込みの数が多い。あまりにも多い(笑)

感動して読むこと

時にラテン語で。時に「言いたいことがわからん」と感情むき出しに。そんな彼独特のエネルギッシュな書き込み。

熊楠は読書をしながら、ひとつひとつ感動し、一つ一つそれを書き込み、そして著書と対話していたのだろうと、今振り返ってそう思います。

冒頭に書いた、最近、本に線を引いたり書き込みをするようになった理由は本の読み方を変えたからです。

その訳は本の内容のひとつひとつ感動しながら読みたいということ。ただ読んで「分かった」気になりたくないということ。

自分が本に書き込みをしようとするときに、思い出すのです。

あの数ある蔵書にある南方熊楠の書き込みを。ひとつひとつ心を動かしてその本を読んでいた南方熊楠のエネルギーを。

そんな風に本を読みたいと今改めてその自分の体験からエネルギーをもらっています。

 

 


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